子供の頃の夏の記憶。
まだ舗装してない道はたくさんあったし、雨が降ると水たまりもたくさんあった。
水たまりになる道路の凹みも結構深くて、3輪のミゼットが転倒したこともある。
近所の大人も子供もそんなミゼットを見かけたら、皆で起こしに行ったものだ。
晴れたら砂埃もすごかったから、井戸水をやたらと打ち水に使っていた。
蚊は多かったし、エアコンなんか知らなかったし、網戸すら無かった。
当然窓はフルオープンで、夜は蚊帳で寝るのが普通だった。
時々、粋な叔母が京都からオシャレな”きもの”を着て、家にやってきた。
盛夏の陽炎のたつ、駅からの道を日傘をさして歩いてくるのをよく覚えている。
いつも甘い洋菓子を持ってきてくれた。その中でもプリンが大好きだった。
叔母は、母と違っていつも陽気な人だったし、私を甘やかすばかりだった。
家に来て、さんざん喋りまくってから、
笑顔で「またねっ!」と駅の方に歩いていく叔母が格好良かった。
今から考えると、嫁ぎ先でいろいろあったのだろうと思うけど、
当時はそんなことを思うはずもなく、
「叔母が母ならプリンいっぱい食えるな。」と考えていた。
撮影機材:
Panasonic LUMIX S5
SHOTEN マウントアダプター LM-LSL
TTArtisan 90mm F1.25